日集共済の安全住宅

 


  設計施工基準

平成21年9月1日 制定

第1章 総則
(趣旨)
第1条
この基準は、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(平成19年法律第66号)第19条第一号及び第二号に掲げる保険契約の申込みを行う住宅(以下、「申込住宅」という。)の設計施工に関する技術的な基準を定める。

(関係法令)
第2条
申込住宅は、第2章に定めるもののほか、住宅の品質確保の促進等に関する法律第94条第1項に規定する構造耐力上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分に係る建築基準法等の関係法令によるものとする。

(本基準により難い仕様)
第3条
本基準により難い仕様であっても、財団法人住宅保証機構が本基準と同等の性能が確保されていると認めた場合は、本基準によらないことができる。

第2章 木造住宅
第1節 地盤調査及び基礎
(地盤調査等)
第4条
基礎の設計に先立ち、敷地及び敷地の周辺状況等について適切な現地調査を行った上で地盤調査を行うこととする。ただし、一戸建てにおける2階建て以下の木造住宅は、「現地調査チェックシート」に従って行った現地調査の結果、地盤調査が必要ないと認められる場合はこの限りでない。
2. 地盤調査は、地盤の許容応力度及び軟弱地盤又は造成地盤等が判断できる調査を行うこととし、実施する地盤調査方法や敷地条件に応じた計測箇所で計測を行うこととする。
なお、スウェーデン式サウンディング調査の場合は4隅付近を含め4点以上で行うことを原則とする。
3. 地盤調査の結果は、適切に保管する。

(地盤補強及び地業)
第5条
地盤調査の結果の考察又は基礎設計のためのチェックシートによる判定(以下「考察等」という)に基づき地盤補強の要否を判断し、地盤補強が必要である場合は、考察等に基づき地盤補強工法を選定し、建物に有害な沈下等が生じないように地盤補強を施すこととする。
2. 小口径鋼管杭、深層混合処理工法(柱状改良)又は浅層浪合処理工法(表層改良)を行う場合は、次の各号により、建物に有害な沈下等の生じる恐れがないことを確認する。
(1) 浅層混合処理工法(表層改良)を行う場合において、改良地盤直下の層が建物に有害な圧密沈下等の生じる恐れがない地盤であることを確認し、改良地盤の厚さは施工性を考慮して決定することとする。
(2) 深層混合処理工法(柱状改良)を行う場合において、改良体の径、長さ及び配置は、長期許容鉛直支持力及び原則として沈下量の計算により決定することとする。ただし、改良体直下の層が建物に有害な沈下等の生じる恐れがない地盤であることが確認できた場合は沈下量の計算を省略することができる。また、やむを得ず改良体の先端を軟弱層までとする場合の長期許容鉛直支持力の計算は、土質が把握できる調査又は試験等の結果に基づいて行うこととする。
(3) 小口径鋼管杭を使用する場合において、杭先端は建物に有害な沈下等への対策として有効な支持層に達するものとする。
3. 砕石地業等必要な地業を行うこととする。

(基礎)
第6条
基礎は、第4条(地盤調査等)及び第5条(地盤補強及び地業)の結果に基づき、建築物に有害な沈下等が生じないように設計する。
2. ベた基礎は、構造計算、別に定める「べた基礎配筋表」又は設計者の工学的判断等により基礎設計を行うこととする。
3. 基礎の立上り部分の高さは、地上部分で400mm以上とする。

第2節 雨水の浸入防止
(屋根の防水)
第7条
屋根は、勾配屋根とする。なお、陸屋根については、第8条(バルコニー及び陸屋根)に規定する。
2. 屋根には、下ぶきを施すこととし、下ぶき材の品質及びふき方は次の各号に適合するものとする。
(1) 下ぶき材は、JIS A 6005(アスファルトルーフィングフェルト)に適合するアスファルトルーフィング940又はこれと同等以上の防水性能を有するものとする。
(2) 上下(流れ方向)は100mm以上、左右は200mm以上重ね合わせることとする。
(3) 谷部及び棟部は、谷底及び棟頂部より両方向へそれぞれ250mm以上重ね合わせることとする。ただし、ふき材製造者の施工基準においてふき材の端部に止水措置を施すなど、当該基準が雨水の浸入を防止するために適切であると認められる場合は当該基準によることができる。
(4) 屋根面と壁面立上げ部の巻き返し長さは、250mm以上かつ雨押さえ上端より50mm以上とする。
3. 天窓の周囲は、各製造所が指定する施工方法に基づいて防水措置を施すこととする。

(バルコニー及び陸屋根の防水)
第8条
床は、1/50以上の勾配を設けることとする。ただし、防水材製造者の施工基準において表面排水を行いやすい措置を施すなど、当該基準が雨水の浸入を防止するために適切であると認められる場合は当該基準によることができる。
2. 防水材は、下地の変形及び目違いに対し安定したもので、かつ、破断又は穴あきが生じにくいものとし、以下の防水工法のいずれかに適合するものとする。
なお、歩行を前提とする場合は、強度や耐久性を確保するものとする。
(1) 金属板(鋼板)ふき
(2) 塩化ビニル樹脂系シート防水工法
(3) アスファルト防水工法
(4) 改質アスファルト防水工法

(5)

FRP系塗膜防水工法。ただし、ガラスマット補強材を2層(ツープライ)以上とすること。なお、防水材製造者の施工基準において、施工面積が小さく、ガラスマット補強材に十分な強度が認められる場合など、当該基準が雨水の浸入を防止するために適切であると認められる場合は1層とすることができる。
(6) FRP系塗膜防水と改質アスファルト防水又はウレタン塗膜防水を組み合わせた工法
3. 壁面との取合部分(手すり壁又はパラペット(本条において、以下「手すり壁等」という)との取合部分を含む)の防水層は、開口部の下端で120mm以上、それ以外の部分で250mm以上立上げ、その端部にシーリング材又は防水テープを施すこととする。
4. 排水溝は勾配を確保し、排水ドレイン取付部は防水層の補強措置及び取合部の止水措置を施すこととする。
5. 手すり壁等は、次の各号による防水措置を施すものとする。
(1) 防水紙は、JIS A 6005(アスファルトルーフィングフェルト)に適合するアスファルトフェルト430、JIS A 6111(透湿防水シート)に適合する透湿防水シート又はこれらと同等以上の防水性能を有するものとする。
(2) 防水紙は、手すり壁等の下端から張り上げ、手すり壁等の上端部で重ね合わせることとする。
(3) 上端部は、金属製の笠木を設置するなど適切な防水措置を施すこと。
(4) 上場部に笠木等を釘やビスを用いて固定する場合は、釘又はビス等が防水層を貫通する部分にあらかじめ防水テープやシーリングなどを用い止水措置を施すこと。

(5)

外壁を通気構法とした場合のパラペットは、外壁の通気を妨げない形状とすること。

(外壁の防水)
第9条
外壁は、防水紙又は雨水の浸透を防止する仕上材等を用い、構造方法に応じた防水措置を施すこととする。
2. 防水紙の品質及び張り方は、次の各号によるものとする。
(1) 通気構法(外壁内に通気層を設け、壁体内通気を可能とする構造)とした外壁に用いる防水紙は、JIS A 6111(透湿防水シート)に適合する透湿防水シート又はこれと同等以上の透湿性能及び防水性能を有するものとする。
(2) 前号以外の外壁に用いる防水紙は、JIS A 6005(アスファルトルーフィングフェルト)に適合するアスファルトフェルト430又はこれと同等以上の防水性能を有するもの(透湿防水シートを除く)とする。
(3) 防水紙の重ね合わせは、縦、横とも90mm以上とする。横の重ね合わせは、窯業系サイディング仕上げは150mm以上、金属系サイディング仕上げは150mm以上とする。ただし、サイディング材製造者の施工基準においてサイディング材の目地や継ぎ目からの雨水の浸入を防止するために有効な措置を施すなど、当該基準が適切であると認められる場合は当該基準によることができる。
(4) 外壁開口部の周囲(サッシ、その他の壁貫通口等の周囲)は、防水テープを用い防水紙を密着させることとする。
3. ALCパネルその他これらに類する材料を用いた外壁の表面には、次の各号のいずれかに該当する雨水の浸透を防止する仕上材等の防水措置を施すこととする。
(1) JIS A 6909(建築用仕上塗材)の薄付け仕上塗材に適合する防水形外装塗材E
(2) JIS A 6909(建築用仕上塗材)の厚付け仕上塗材に適合する外装厚塗材E
(3) JIS A 6909(建築用仕上塗材)の複層仕上塗材に適合する複層塗材CE、可とう形複合塗材CE、防水形複合塗材CE、複層塗材Si、複層塗材E又は防水形複層塗材E
(4) JIS A 6021(建築用塗膜防水材)の外壁用塗膜防水材に適合するアクリルゴム系
(5) 前各号に掲げるものと同等以上の雨水の浸透防止に有効であるもの

(乾式の外壁仕上げ)
第10条
乾式外壁仕上げ(第3項のものを除く)は、通気構法とする。
2. サイディング仕上げとする場合は、次の各号によるものとする。
(1) サイディング材は、JIS A 5422(窯業系サイディング)、JIS A 6711(複合金属サイディング)に適合するもの又はこれらと同等以上の性能を有するものとする。
(2) 通気層は、通気胴緑又は専用の通気金具を用いて確保することとする。通気胴縁は、サイディング材の留め付けに必要な保持力を確保できるものとし、幅は45mm以上とする。サイディング材のジョイント部に用いるものは幅90mm以上(45mm以上を2枚あわせを含む)とする。
(3) 通気層は厚さ15mm以上を確保することとする。ただし、下地に合板を張る場合など、通気に有効な厚さを確保する場合はこの限りではない。
(4) 留め付けは、450mm内外の間隔に釘、ビス又は金具で留め付けること。釘又はビスで留め付ける場合は、端部より20mm以上離して穴あけを先行し、各サイディング材製造所の指定の釘又はビスを使用する。ただし、サイディング材製造者の施工基準が適切であると認められる場合は当該基準によることができる。

(5)

シーリング材及びプライマーは各サイディング材製造所の指定するものを使用する。
(6) シーリング材を用いる目地には、ボンドブレーカー付きハット型ジョイナー等を使用する。
3. ALCパネル又は押出し成形セメント板(厚さ25mm超)等を用いる場合は、各製造所が指定する施工方法に基づいて取り付けることとする。
4. 外壁の開口部の周囲は、JIS A 5758(建築用シーリング材)に適合するもので、JISの耐久性による区分の8020の品質又はこれと同等以上の耐久性能を有するシーリング材を用い、適切な防水措置を施すこととする。

(湿式の外壁仕上げ)
第11条
外壁を湿式仕上げとする場合は、雨水の浸入を防止するよう配慮の上、下地を適切に施工する。
2. 下地は、ラス張り(平ラスを除く)とする。ただし、国土交通大臣の認定又は指定を取得した外壁下地で、ラス網を必要としないモルタル下地専用のボードを用いる場合はこの限りでない。
3. モルタル工法は、次の各号に適合するものとする。
(1) 普通モルタルを用いる場合は、防水上有効な仕上げ又はひび割れ防止に有効な措置を施すこととする。
(2) 既調合軽量セメントモルタルはJASS15 M-102(既調合軽量セメントモルタルの品質基準)に基づく各製造所の仕様によるものとする。
第3節 劣化対策
(土台)
第12条
土台の防腐・防蟻措置は、次の各号のいずれかによるものとする。
 
(1) ひのき、ひば、べいひ、べいひば、くり、けやき、べいすぎ、台湾ひのき、こうやまき、さわら、ねずこ、いちい、かや、ウエスタンレッドシーダー 、インセンスシーダー又はセンペルセコイヤを用いた製材、若しくは、これらの樹種を使用した構造用集成材等を用いることとする。
(2) JASに定める保存処理性能区分K3相当以上(北海道及び青森県にあってはk2相当以上)の防腐・防蟻処理材を用いること。
2. 土台に接する外壁の下端には水切りを設けるものとする。

(水廻り)
第13条
浴室及び脱衣室の壁の軸組等(木質の下地を含む。)、床組(浴室又は脱衣室が地上2階以上の階にある場合は下地材を含む。)並びに浴室の天井については、それぞれ次の各号のいずれかの防水措置を講じるものとする。ただし、1階の浴室廻りをコンクリートブロック造の腰壁又は鉄筋コンクリート造の腰高布基礎とした部分の軸組及び床組は除くことができるものとする。
(1) 防水紙、シージングせっこうボード、構造用合板の特類若しくは1類等の耐水性のある下地材等を用いる、若しくは、ビニル壁紙等の防水性のある材料で仕上げることとする。
(2) 浴室ユニットとすることとする(浴室部分のみ)。

(地盤、基礎の内周部及び束の周囲の地盤)
第14条
床下地面に講じる防蟻措置は、次の各号のいずれかによるものとする。
(1) 鉄筋コンクリートのベタ基礎
(2) 地面を一様に打設したコンクリート(布基礎と鉄筋により一体となったものに限る。)で覆うこと。
(3) 以下に掲げる薬剤を用い、布基礎内周部及び束石の周囲20cmの土壌処理を行うこととする。
土壌の防蟻措置に使用する薬剤の品質は、特記による。特記がない場合は、社団法人日本しろあり対策協議会又は社団法人日本木材保存協会認定の土壌処理剤又はこれと同等以上の効力を有するものとする。
土壌処理と同等以上の効力があるものとして、防蟻効果を有するシートを床下の土壌表面に敷設する工法、樹脂皮膜を形成する方法等を採用する場合は、特記によることとする。

(床下換気及び防湿措置)
第15条
床下換気及び防湿は、次の各号に適合しなければならない。
(1) 床下換気
床下空間が生じる場合の床下換気措置は次のいずれかによるものとする。ただし、基礎断熱工事により基礎の施工を行う場合は、床下換気孔は設置しないこととする。
外周部の基礎には、有効面積300㎠以上の床下換気孔を間隔4m以内ごとに設けること。
ねこ台を使用する場合は、土台の全周にわたって1m当たり有効面積75㎠以上の換気孔を設けること。
(2) 床下防湿
床下防湿は、次のいずれかによるものとする。ただし、基礎の構造をベタ基礎とした場合は、この限りでない。
床下地面全面に厚さ60mm以上のコンクリートを打設すること。
床下地面全面にJIS A 6930(住宅用プラスチック系防湿フィルム)、JIS Z 1702(包装用ポリエチレンフィルム)JIS K 6781(農業用ポリエチレンフィルム)に適合するもの又はこれらと同等以上の効力を有する防湿フィルムで厚さ0.1mm以上のものを敷き詰めること。

(小屋裏換気)
第16条
小屋裏空間が生じる場合の小屋裏換気は次の各号によるものとする。ただし、天井画ではなく、屋根面に断熱材を施工する場合は、小屋裏換気口を設置しないこととする。
(1) 小屋裏換気口は、独立した小屋裏ごとに、2カ所以上換気に有効な位置に設けること。
(2) 換気口の有効換気面積等は、次のいずれかによること。
両妻壁にそれぞれ換気口(給排気両用)を設ける場合は、換気口を上部に設けることとし、換気口の面積の合計は、天井面積の1/300以上とする。
軒裏に換気口(給排気両用)を設ける場合は、換気口の面積の合計を天井面積の1/250以上とする。
軒裏に換気口を、妻壁に排気口を、垂直距離で900mm以上離して設ける場合は、それぞれの換気口の面積を天井面積の1/900以上とする。
排気筒その他の器具を用いた排気口は、できるだけ小屋裏頂部に設けることとし、排気口の面積は、天井面積の1/1,600以上とする。また、軒裏に設ける吸気口の面積は、天井面積の1/900以上とする。
軒裏に吸気口を設け、かつ、棟部に排気口を設ける場合は、吸気口の面積を天井面積の1/900以上とし、排気口の面積を天井面積の1/1,600以上とする。

(構造用部材等外壁の軸組)
第17条
地面から高さが1m以内の外壁の軸組、枠組その他これらに類する部分(木質の下地材室内側に露出した部分を除く。)の防腐・防蟻措置は、次のいずれかによるものとする。
(1) ひのき、ひば、べいひ、けやき、台湾ひのき、すぎ、からまつ、べいすぎ、くり、ダフリカからまつ、べいひば、こうやまき、さわら、ねずこ、いちい、かや、くぬぎ、みずなら、べいまつ(ダグラスファー)、ウエスタンレッドシーダー 、アピトン、ウエスタンラーチ、カブール、ケンパス、セランガンバツ、タマラツク又はパシフィックコーストイエローシーダー、インセンスシーダー又はセンペルセコイヤを用いた製材、若しくは、これらの樹種を使用した化粧ばり構造用集成柱、構造用集成材等を用いること。
(2) 外壁に通気層を設け、壁体通気を可能とする構造とすること。
(3) 断面寸法120mm×120mm以上の化粧ばり構造用集成柱、構造用集成材を用いること。
(4) 次のア又はイの薬剤処理を施した化粧ばり構造用集成柱、構造用集成材等を用いること。
ア 防腐・防蟻処理剤として工場で処理したもので次のいずれかに適合するもの
(ア) 製材のJASの保存処理(K1を除く。)の規格に適合するもの
(イ) JIS A 9108(土台用加圧式防腐処理木材)の規格に適合するもの
(ウ) JIS K 1570(木材保存剤)に定める加圧注入用木材防腐・防蟻剤を用いてJIS A 9002(木質材料の加圧式保存処理方法)による加圧式防腐処理を行った木材とする。
(エ) 社団法人日本木材保存協会認定の加圧注入用木材防腐剤を用いて、JIS A 9002による加圧式防腐処理を行った木材とするもの
(オ) (ア)、(イ)、(ウ)又は(エ)以外とする場合は、防腐・防蟻に有効な薬剤が、塗布・加圧注入、浸漬、吹き付けられたもの又は接着剤に混入された防腐・防蟻処理材で、特記による。(ただし、集成材においては、接着剤に混入されたものを除く。)
イ 防腐・防蟻薬剤を現場で塗布、吹付け又は浸漬したもので次の規格に適合するもの
(ア) 木部の防腐措置及び防蟻措置に使用する薬剤の品質は、社団法人日本しろあり対策協会又は社団法人日本木材保存協会認定の防腐・防蟻剤とすること。

付 則
この基準は、平成21年9月1日から適用する。